悪ノ人生‐ミチ− 第四話 Best Friend , Best Sister.


リンアン:ri    灯世

レオン:re    加々美由亜

サリー:sa   じゅら

ガクト:ga   吉沢在玉


女:wo          MIA 

衛兵の男:ma  金次

 


 

sa01 : うっわぁー、今日のお菓子も美味しそう!!
           レオンもルナさんもお菓子作るのが上手で羨ましいなぁ…
           あ、王女、今日の紅茶はいかがですか?

ri01 : とっても美味しいわ。

sa02 : 本当ですか?今日は、私が淹れたんですよ!

ri02 : レオンのよりずーっと美味しい!!

sa03 : やった!

ri03 : サリーも一緒におやつの時間にしましょう?

sa04 : え、良いんですか?

ri04 : レオンもいないし、一人で食べるなんてつまんないんだもの。

sa05 : じゃあ、いただきまーす!!

ri05 : そういえば、ルナは?

sa06 : もぐ、あ、このパイ美味しい…!
           あ、ルナさんは、街に買い物に行ってますよー。

ri06 : 私も街に行きたいわ。

sa07 : もぐもぐ(クッキーなどのお菓子を食べながら)レオンがきっとダメって言いますよ。

ri07 : レオンったら、口五月蠅いわよね。

sa08 : きっとすぐに禿げちゃいますよね!

ri08 : あら、禿げたレオンなんて見たくなーい。

sa09 : くすくす、昔から小さいこと気にし過ぎてましたからねぇ。

ri09 : あ、そういえば、覚えてる?ほら、3人で丘で遊んでた時も…

sa10 : お城から抜け出してた王女の心配毎日してた!!

ri10 : 私だって上手く抜け出してたのに…!

sa11 : あ、そういえば、王女がちょっと丘で転んで怪我したときとかもすっごい心配してたー。

ri11 : あの時、サリーも怪我してなかったかしら?

sa12 : 私は日常茶飯事でしたからねぇ。
           だから、レオンも私の心配全くしてくれなかったし。
           …はぁ、あの時から扱いが違ってたなぁ…

ri12 : レオンはサリーのこと信用してるだけよ、きっと。

sa13 : んー、そうなのかなぁ…
           私もレオンみたいに心配してくれるキョウダイ欲しかったなぁ。

ri13 : サリーは一人っ子だものね。

sa14 : あ、寂しくは無いんですよ!!
           ルナさんはお姉ちゃんみたいだし、ガクトさんはお兄ちゃんみたいだし…

ri14 : レオンは弟みたい?

sa15 : 確かに!へたれな弟ですよね。

ri15 : じゃあ、私は妹かしら?

sa16 : えー、王女はー…王女?

ri16 : 何よ、それー。

sa17 : あ、でも、王女はきっと双子の妹、かな?

ri17 : それじゃあ、レオン入れて三つ子ね。

sa18 : 王女とレオンと三つ子かー。うわぁ、レオンが嫌がりそー。

ri18 : そう?

sa19 : あ!そう言えば、王女、この前、またカインさんがお城に来てましたけど、ナニかあったんですかぁ?(からかうように)

ri19 : え?…べ、別に何も…普通に貿易のお話しただけよ?

sa20 : とぼけないでくださいよ。
           カインさん来る時だけいつもよりおめかしするじゃないですか。

ri20 : あ、あれは違っ、うわよ!!
         他国との貿易のお話だからちゃんとした格好をね、!

sa21 : あはは、そんなごまかさなくてもだいじょぶですよー。
           もう分かっちゃってるんですから。これ、女の勘です!!

ri21 : サリー、紅茶、おかわり!

sa22 : くすくす、はいはい。

ri22 : …サリー、今度、ドレス買いに行くの、付き合って…(小さくぼそり、と)

sa23 : まっかせてください、王女!!(穏やかに笑いながら)
          すっごい可愛いの、買いましょうね!!
          なんだったら、布買って、私、繕いますよ!

ri23 : …ありがとう。

sa24 : へへ、王女、かーわーいーいー。

ri24 : サリー!!

 

M01  OP

 


ri25 : 悪ノ人生第4話、

sa25 : Best Friend, Best Sister.

 

 


re01 : ガクトさん。

ga01 : あぁ、レオンか。

re02 : どうしたんですか?外、騒がしいみたいですけど。

ga02 : うむ、王女と話がしたいっていう国民が来てるみたいなんだが…

re03 : 国民が?
          まさか、反乱勢力じゃ…

ga03 : いや、どうやら国の貧困層の女性らしくてな。
           子供が熱を出して、薬をくれ、と。

re04 : そんな…国民一人を贔屓には出来ないんだけど…

ga04 : どうするんだ?
           王女は庭でサリーと休憩中だろう?

re05 : ええ、王女には話さない方が良いでしょうね。
           俺が対応します。

ga05 : 一人で行くのか?

re06 : 相手は一人なんでしょう?

ga06 : ああ、そうだが、お前は王女と似てるんだからヘタなことすると危ないんじゃないのか?

re07 : 大丈夫ですよ。
          いくら似てると言っても俺は男ですから。

ga07 : 一応俺も行こうか?

re08 : 大丈夫ですって。
          それより、庭の王女とサリーの所に行っていてください。
          もしかすると、もしかするかもしれませんし。

ga08 : …分かった。でも、どうする気だ?簡単に引き下がってくれるとは思わないが。

re09 : 薬の提供は出来ないと伝えますよ。素直に。
          城からの援助は見込めないから諦めて欲しいとね。

ga09 : 逆上されなければ良いが。

re10 : とりあえず、お引き取り願うように伝えてきます。

ga10 : あぁ。…レオン、

re11 : はい?

ga11 : …いや、気をつけろよ?

re12 : 意外と心配性なんですね、ガクトさん。

ga12 : 意外ってどういう意味だ。

re13 : いや、言葉のままです。
          大丈夫ですよ、ガクトさん。俺は、王女の召使いですから。
          この程度の問題、解決できなくてどうします。ね?

ga13 : ふっ、頼もしいな。それじゃあ、俺は庭に行くとするか。

re14 : はい、お願いしますね。

 

SE02  足音
SE03  扉の開閉音

 

re15 : はぁ、…思ったより時間かかったな…

sa26 : レオ−ン、溜息ついたら幸せ逃げちゃうぞ。

re16 : …サリー…お前はいつも幸せそうだな。

sa27 : レオンはいつもへたれてるわね。

re17 : なんだそれ。全く関係ないだろう。大体、俺はへたれじゃない!!

sa28 : それより、さっき、ガクトさんがおやつパーティー中に来たけど…何かあったの?

re18 : え?

sa29 : レオンが来ないでガクトさんが来たから、何かあったんじゃないかな、って思って。

re19 : あぁ、ちょっと外で問題がな。

sa30 : 反乱勢力?

re20 : いや、スラム街に住んでいる女性だったよ。

sa31 : スラム街…

re21 : この国にそんなもの、あって良いわけないのにな…

sa32 : それで、その女の人、何て?

re22 : 薬をくれってさ。

sa33 : 薬?何の?

re23 : 子供の熱が下がらないって泣いてたけど、国民の誰か一人を贔屓すると、他の国民にも同じようにしなきゃいけなくなるから、丁重に断って帰ってもらったけど。

sa34 : 難しいわね。城の人間じゃなければ、きっと持っている薬をその子供にあげたのに…

re24 : 仕方ないさ。俺らは王女に仕えてる城の人間なんだ。軽率な行動は出来ない(悔しそうに)

sa35 : …そうだね……あ、そうそう、レオン、私、さっき、褒められちゃった。

re25 : 王女に?

sa36 : 紅茶の淹れ方、レオンより上手いってさ。

re26 : …あ、そう…

sa37 : あ、妬いた?妬いた?

re27 : べ、別に…

sa38 : くすくす。

re28 : な、何だよ。

sa39 : やっぱり双子だなーって。

re29 : は?

sa40 : レオンと王女!照れた時、同じ反応するの!かーわーいーいー。

re30 : サリー、うるさい!

sa41 : きゃー、レオンが怒ったー!
           でも怖くなーい!

re31 : はぁ…ったく、サリー、お前は本当に能天気と言うか何というか…

sa42 : 悩みがないって言ってよ!

re32 : それ、褒め言葉になってないと思うんだけど…

sa43 : あ、そういえば、王女がね、私達三つ子だって。

re33 : 三つ子?

sa44 : 王女とレオンと私。

re34 : あぁ…昔からずっと一緒に遊んでたからな。

sa45 : あのね、レオン。

re35 : ん?

sa46 : これ、内緒だよ?

re36 : なんだよ?

sa47 : 私ね、嬉しいんだ。三つ子って言ってもらって。

re37 : あぁ、なんだ、そんなことか。

sa48 : 何よ、そんなことってー。

re38 : いや、なんか一緒にいることが当たり前になってるからさ。
           今更だな、って思って。

sa49 : 当たり前、か…

re39 : ところで、サリー、王女は?

sa50 : あ、そうだった!王女は今、執務室でお仕事してるから、紅茶持って行くとこだったんだ。

re40 : そうか…あ、王女にさっきの話は内緒な。

sa51 : 薬がどうのって話?

re41 : あぁ。

sa52 : りょーかい。

re42 : 俺も後で王女の部屋に行くから。ちゃんと仕事してるか確認しに。

sa53 : 小姑みたいね、レオン。

re43 : そうしないとすぐにサボるからだろう…(溜息を吐きながら)

sa54 : あ、また溜息!ほら、幸せ逃げるから、吸って、吸って!

re44 : あぁ、はいはい、分かった。後で吸っとくから早く王女のとこに行けよ、サリー。

sa55 : 投げやりー。なんかむかつくけどレオンが淹れたのより美味しい紅茶が冷めちゃうから行ってきまーす。

re45 : はいはい、頼んだよ、サリー。

 

SE04  足音

 

re46 : 三つ子、ね…俺が一番上かな…きっとサリーが二番目で、王女、…リンアンが三番目だろうな。(楽しそうに笑いながら)

 

SE05  扉の開閉音

 

sa56 : 王女ー、お仕事、どーですか?

ri26 : サリー、もうダメー。疲れたー。

sa57 : じゃあ、一息いれましょう?

ri27 : 紅茶!!

sa58 : あ、そう言えばさっき、レオンと会って、後で来るって言ってましたよー。

ri28 : えー、どうせ小言言いに来るんでしょう?

sa59 : ちゃんとお仕事してるか確認するって言ってました。

ri29 : もー、レオンお堅いんだもん、いやー。へたれのくせにー。
         あ、そうだ、ねぇ、サリー。

sa60 : はい、何です?王女。

ri30 : 街にお買い物に行きたいわ。

sa61 : え…でも、お仕事もありますし…

ri31 : こんなの他の人にだって出来るわ。私がする必要ないもの。

sa62 : でもでも、街は…

ri32 : 息抜きだって必要でしょう?こんな所にずーっといたら私、死んじゃうー。

sa63 : …んー、それじゃあ、レオンに話してから行かなきゃダメですよ?

ri33 : えー、レオン、絶対許してくれないもん。
         私は普通に街に行って、普通にお買い物して、普通に楽しみたいだけなのに…

sa64 : 王女…

ri34 : 王女なんて立場だから普通の女の子みたいなこと出来ないから…だから、普通にお出かけしたいだけなのに…

sa65 : んー…もう!!分かりました!!それじゃあ、レオンを説得してきます!!

ri35 : ホントに?

sa66 : そのかわり、ちゃんと変装してくださいよ?
           王女が街に出るなんて一大事なんですから。

ri36 : 任せて!こんなこともあろうかとちゃんと庶民の服も買ってあるのよ!

sa67 : なんて準備の良い…

ri37 : サリーの分もあるわ!

sa68 : 分かりました、分かりました、それじゃあ、着替えて待っててください。
          あ、絶対待っててくださいよ?

ri38 : ええ、分かったわ。

 

SE06  扉の開閉音

 

sa69 : レオン、レオーン!

 

SE07  靴音

 

re47 : サリー?どうかしたのか?

sa70 : あ、レオン。王女が街に行きたいって。

re48 : え…はぁ、またいつもの我儘か。

sa71 : 息抜きに普通の女の子として街で遊びたいって。

re49 : 街に行くんなら、護衛を何人かつけて…

sa72 : あ、変装するから、大丈夫よ。

re50 : でも、さっきの件もあるし、危険だろう。
          ただでさえ、この所の不況と気候変動で作物が育たないって国民はイライラしてるんだから。

sa73 : でも、王女のせいじゃないわ。

re51 : 不況なのに徴税はしっかりしてるから国民の怒りの矛先がこっちにきてるんだよ。

sa74 : そんな…

re52 : それに、他国との戦で国民を徴兵してるんだ。家族を取られたと感じている民だっている。
           王家は絶対だけど、その分、恨まれることも絶対だ。

sa75 : でも、王家だからって王女がずっと普通の女の子みたいに遊べないっていうのはつらいよ…

re53 : …それは、俺だって嫌ってほど分かってるさ。
          王女がどれだけ外の世界に憧れてるのかも知ってる。
          だけど、俺達は召使だから、王女を危険から守る義務がある。

sa76 : そのためなら王女の望みは叶えなくても良い、と?

re54 : そうは言ってないけど…

sa77 : 何よ、レオンの分からず屋!堅物!へたれ!禿げ!女の子はね、そんな簡単じゃないんだからっ!

re55 : なっ、へ、へたれって、またへたれって!っていうか、俺は禿げてない!

sa78 : みみっちいことばっかり気にしてたら禿げるもん!知ってるんだからね、レオンのつむじがおっきくなってきてるって!

re56 : んな、な、っ!!〜〜〜〜っ、はぁ、もう、分かった、分かったから。
          ただし、護衛を最低一人つけるぞ!ガクトさんなら問題ないだろう。王女も信用してる人だし。

sa79 : うんっ!

re57 : で、王女は?

sa80 : あ、お部屋で外に出る準備をしてるわ。
          もう着替えも終わってるはずだけど…

re58 : それじゃあ、とりあえず王女の部屋に行くか…

sa81 : はーい。

re59 : あ、サリー。

sa82 : ん?

re60 : 俺は禿げないからな!!

sa83 : 知らないわよ、そんなの、どうなるかなんて。
           レオン、気苦労絶えないもの。

re61 : …気苦労の種のひとつはお前だ、サリー…

sa84 : ん?何か言ったー?

re62 : 何でもない…はぁ…

sa85 : あ、また!!

re63 : はいはい、後で吸っときます。幸せ吸っとくからとりあえず王女の部屋に行くぞ。

 

SE08  扉をノックする音

SE09  扉を開ける音

 

sa86 : 王女―?もう準備終わりました?
           …あれ?

re64 : サリー?

sa87 : 王女が、いない…

re65 : え…

sa88 : 服は着替えたみたいだけど…まさか、もう先に行ってるんじゃ!

re66 : なっ、あー、もうっ、あいつは!!

sa89 : 待っててって言ったのにー。

re67 : 仕方ない。とりあえず、ガクトさんにすぐに出れるように言ってくるから、サリーは王女を引きとめといてくれ。
          多分まだ街には行ってないだろうから!

sa90 : うん、分かった!!

 


SE10  走る足音

SE11  門を開ける音

 


ma01 : 王女…?

ri39 : しーっ、!

ma02 : ど、どちらにお出かけですか?まさか、お一人じゃ…

ri40 : ちょっと街に行くのよ。大丈夫、サリーと一緒だから。
         ほら、こうやってフード被っちゃえば分からないでしょう?

ma03 : え、あ、はい。いや、でも、っ…

 


SE12  走ってくる足音

 


wo01 : はぁっ、はぁっ、王女に…王女に会わせて…!!会わせなさい!!

ri41 : え?

ma04 : お前は…さっきの…レオン様が仰っていただろう、国民一人のために城は動けないと。

ri42 : 何なの?

wo02 : あんたの…あんた達のせいで…あんた達のせいで私の子が、私の子供が…っ!!

ri43 : …アナタの子供が、何?

wo03 : 熱が下がらなくて、でも満足に薬も食べ物もあげれなくて、でも、お城にはたくさん食べ物があるって聞いてたわ。
            王族には専属のドクターがいるって…だから、王女に会わせてって、私の子を治してってお願いしに来たのに、
            王女に会わせてもらえなくてっ、…帰ったら、もう、もう、動かなかったのよ。
            小さな身体がもう動かなくなってたの!!
            あんた達のせいよ!あんた達のせいで、王女のせいで、…私の子は殺されたのよ!!(泣きながら激昂して)

ri44 : …言いがかりはよしなさい。王家は国民を統べる義務はあっても、国民一人一人の生活全てに責任を持つ義務はないわ。
          国民の生活は国民自身が営むものよ。
          貴女の子供が亡くなったのも、貴女自身の責任。
          誰の許可を得てここに来ているの?ここは黄金国[ゴールデンランド]の王家の城の前よ。身分をわきまえなさい。(凛として)

wo04 : あ、なた…まさか…リンアン=ミラー=アシュビッツ…
           王女…王女…王女ッ…(徐々に怒りをあらわにして)

sa91 : 王女っ!!

ri45 : え、

 

SE13  刃物を抜く音

SE14  刃物が刺さる音

 

ri46 : サ、リー…?

wo05 : あ、あ、…あ、あ、…ぅあぁあぁああッ!!

ma05 : と、取り押さえろ!!その女を取り押さえろ!

 

SE15  走ってくる足音

 

re68 : 王女!!

ga14 : 何事だ!!

ma06 : この女が急に刃物を取り出して、王女をっ!

re69 : 王女は無事なのか!

ma07 : それがっ、王女は…

re70 : サリー…?

ga15 : なっ、まさか…

ma08 : 王女は無事です…代わりに…

re71 : サリー!!

ga16 : …その女を城内へ。地下牢に入れて、すぐにドクターを!

ma09 : は、はいっ!


SE16  足音


ri47 : サリー、?サリー、サリー、サリー、サリー…っ!!
          いや、ダメ、血が、血が止まらなっ、!

re72 : 王女!王女、落ち着いて!すぐにドクターのとこに!!

ri48 : レオン!レオン、助けて、サリーが、サリーがっ、血が、血が赤いの、全部赤くて、止まらな、っいの!!
         ダメダメダメダメ、止めなきゃ、止めて、止めなさい、レオン!!

re73 : リンアン!!落ち着け!!
          大丈夫、大丈夫だから、サリーは大丈夫だから、ドクターにっ、

sa92 : お、うじょ…

ri49 : サリー!!

sa93 : レ、オン…

re74 : サリー…

 


sa94 : 何から言えば良いのかな。
          何を伝えれば良いのかな。
         どうやって伝えたら良いのかな。
         もうね、ダメだって、私が一番分かってるんだ。
         だって、ほら、もう、二人の顔が見えないよ…どっちがレオン?どっちが王女?
         やだな、死ぬのかな。こんなに簡単に?
         やだよ、だって、まだ、王女と買い物に行ってない。
         いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ…まだ…

 


sa95 : 死、に…く、な…(死にたくない、と弱弱しく)

ri50 : サリー、嫌よ、だめ、しっかりしなさい!!

sa96 : レ、…ン、ごめ、ね…

 


sa97 : 王女のこと、一人にしないでね。
           誰よりも寂しがり屋だから。
           誰よりも甘えん坊だから。

 

 

sa98 : お、…じょ、

 


sa99 : 待って、神様。まだ私を連れてかないで。
           これだけ、伝えたいの。
           ねぇ、王女…私と初めて会った時のこと、覚えてますか?
           きっと、小さかったから、私、何も考えないでお友達になろう、とか言ったんだよね。
           そしたらいつの間にかお友達が親友になって、親友が妹みたいな存在になって、
           レオンと私と王女と三人でずっとずっと色んな事して、…
           ずっと一緒なんだって信じてたよ。
           だから、これだけ…本当に伝えたいのは…
           ずっとずっと一緒にいてくれて…

 

 

sa100 : あ、り、が、と、う。

 


re75 : サリー?嘘、だろ…待てよ、サリー、待てって、ドクターが来るまで頑張れよ、サリー!!

 


ri51 : いやぁああ―――ッ!!

 

 

 

ENDING